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クワガタ飼育・採集を中心に自身の趣味・日常を綴ります 

タランドゥスホソアカクワガタ (カリマンタン島産)WF1 飼育記録まとめ

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西カリマンタン州 Mt.Bawang産 WD ♂ 48mm

1.はじめに

 今回ブリードしたタランドゥスホソアカクワガタ(Cyclommatus tarandus)は、美しい赤褐色のボディと黄色の脚が特徴の中型キクロ(野外ギネス 71mm/飼育ギネス 64.2mm)で、カリマンタン島(ボルネオ島)に生息しています。90年代後半-2000年前半?くらいまでは流通量が少なく希少でしたが、新産地が見つかり、2020年現在ではコンスタントにWD品が流通しています。

最もよく見かけるのはインドネシア 西カリマンタン州 バワン山 (Mt.Bawang)のもの。

本種は、朝晩の気温が21-25℃、標高300-350Mの湿潤なエリアに生息しています。(「BE-KUWA19号」より) 標高の割に気温が比較的低いのは、この地が山颪がコンスタントに発生する地形をしている(←単なる仮定です)、 湿潤さは湿った空気が山に堰き止められ、纏まった雨量があり湿度が担保されることによるものと推測できます。諸条件が全て満たされないと生命が維持できないのであるとすれば、産地が限定的なのも何となく理解出来ます。カリマンタンの治安が悪くて虫集まらんとかクッソ辺鄙なだけとかだったらごめん...とりあえず温度湿度管理は必須な種類と判断し、ブリードしています。

2.種親紹介

2019年2月中旬にヤフオクでWD ペアで購入。3,000円弱でしたね。

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48mmですが一応大歯です。内歯がきちんと発達しています。

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ベースは赤褐色ですが、よく見ると点刻が無数に在り、体色のグラデーションに一役買っているようです。

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♀は25mmほど。キクロの♀は強く湾曲した大顎と前胸背板の上縁部分?の盛り上がりが特徴的で好きっす。標本にするとき華奢な体が災いしてフセツや触覚が折れまくって一気に嫌いになりますけど...

3.ペアリング-産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化

①ペアリング

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購入して直ぐにペアリング。♀を傷つける素振りもなく仲良くメートガードしていました。掛かった感じがして見ていて安心感があります。

②産卵セット

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2019/3/1 マットのみで組みます。爆産くん特Aマットを使用。たくさん採れても困るので小ケースを使用しました。ちなみにDVマットでの実績もあります。軽く握って水が出るくらいまで加水。生息地を思い浮かべながら作業します♪ ←我ながら変態だな、おい。 そのマットをケース壁面に壁が出来るように詰めていきます。この時のゼリー、ペロリアソを使ってますな笑  食いつきはよいのですが、水分が多くゼリーカッターに汁が残って、刃がベトベトになってしまうのが苦手です...やはりプロゼリーが好きかな。 25℃管理の温室へ2か月程投入します。あまり早く割出してしまうと卵も幼虫も極小なので効率悪いのでこれくらい期間をあけちゃいます。

③割出

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2019/5/7 セットを組んで2 か月程経過しましたが、ケース側面から初令幼虫が沢山見えています。f:id:kohya0727tj:20200216204913j:plain

初齢-二齢初期の幼虫が29頭回収できました。それでも小さかったので頭の大きさで雌雄判断していましたが、結果めちゃくちゃでしたね…高いマットが無駄になったぜよ泣

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雌は精魂尽き果てた感じでご臨終。そりゃこんな小さな体から30頭近く捻りだすのだからね…南無阿弥陀仏

④幼虫飼育

高望みせず60mm越えを目指してブリードしていきたいと思います。記録を見ると割出して1か月養生 (放置だろ...) して2019年6月にボトルへ投入していたみたい。

使用マット:グローバル大阪 LBマット 水分多め。握って水が出るくらい。←コレ結構難しいんですよね、少しでも多いと腐ってしまう…実際1ロット無駄に。部屋中メタン発酵臭が充満する大惨事が発生…

使用ボトル:♂1400cc/800cc、♀500cc クリアボトル

管理温度:20度

⑤羽化

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雌は早い個体で2019年10月頃から、雄は同年12月頃から羽化してきた感じです。

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知人も同じ経験をしているのですが、ボトル壁面に殆ど蛹室を作らんのです。生きているのか死んでいるのか全くわからん…タイミングを誤ると殺すことにもなりますし…

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ミイラみたいになって落ちていた個体も。

20度環境下では半年程で羽化しているので、割出の一定の目安にはなるかと。上でも書きましたが、雌雄判定ミスって複数♀を1400で管理していたことが判明し凹みましたね。頭部が大きいからという安直な考えで判定してしまったツケですな。むしろ、初期の成長が早い個体は全て♀ぐらいの決めつけで良いのかもしれません。

4.羽化個体紹介

以下、ざっと羽化個体を紹介していきます。

① ♂60mm

2020年1月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

雌雄判定ミスって500投入したにも関わらず最大個体が羽化...あまり容量に依存しない種類なんか?太短い感じ。

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② ♂55.9mm

2020年1月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

この個体も判定ミス組...どうなっとるんや...

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③ ♂51mm 2020年1月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

はい、この個体も判定ミスしたもの。顎太。

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④ ♂50.6mm 2020年2月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

種親より全体的に緑っぽい?

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⑤ ♂50.1mm 2020年1月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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⑥ ♂50mm 2020年1月羽化。

2019年6月→800cc LBマット

スラッとした見慣れた体型してますね。

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⑦ ♂49.3mm 2020年2月自力ハッチ確認。

2019年6月→500cc LBマット

早期羽化個体。気付くのが遅かったため既にご老体...許せ...腹減っていたようでゼリーに貪りついてました。

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⑧ ♂48.3mm 2020年1月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

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⑨ ♂ 45.8mm 2020年1月羽化。
2019年6月→500cc LBマット

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⑩ ♂50mmほど。

2020年2月現在 蛹

2019年6月→500cc LBマット

やっぱりボトルの中央に蛹室作るよね。

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以下はメス。

⑪ ♀ 25.1mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

雌雄判定ミスって大容量ボトルへ泣。それなりに大きくなったのは良いのだけれど、やっぱ切ないよな…

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⑫ ♀ 25mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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⑬ ♀ 24.5mm 2019年12月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

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⑭ ♀ 24mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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⑮ ♀ 24mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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⑯ ♀ 24mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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⑰ ♀ 23.8mm 2019年12月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

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⑱ ♀ 23.7mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

若干お腹が出ています...

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⑲ ♀ 23.4mm 2019年12月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

こちらは更にお腹が出ちゃってますね...

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⑳ ♀ 22.8mm 2019年12月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

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②① ♀ 22mm 2019年12月羽化。

2019年6月→500cc LBマット

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②② ♀ 22.5mm 2019年12月羽化。

2019年6月→1400cc LBマット

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5.まとめ 

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当初目標である60mmは達成したものの、本種にはLBマットが高カロリーだったのか、顎が太くなったり、腹部が膨らんだりするなど横に伸びてしまう個体が散見されたように思います。溶けてしまった個体や羽化できずミイラ化してしまった個体も。次サイクルはもう少し低添加な発酵マットを選択するか、無添加発酵マット+LBマットを混ぜる、加えてもうちょい低温で管理してやってみれば縦に伸びてくれるのでは?と思っています。