1.はじめに
神奈川県東部エリアの採集も今年で2年目です。末尾の「5.参考記事」に去年の採集状況を紹介していますが、今年も引き続きミヤマクワガタを中心に採集記事をまとめています。昨年の採集で当地のクワガタの平均サイズも大体把握できたので、今年は以下の様な目標を設定、採集に臨みます。
-ミヤマクワガタ 70ミリup
-ノコギリクワガタ 70ミリup
- ヒラタクワガタ 60ミリup
- コクワガタ 50ミリup
2.採集ハイライト
①5月
昨年は6月中旬から採集を開始していましたが、そのときに採集したミヤマ♂の上翅のスレ具合が1ヶ月以上活動したような状態だったので、昨年より1ヶ月早く採集に出かけることにします。
今期初個体は5月15日に確認。カシノナガキクイムシに侵されつつあるコナラの樹上2-3m程の高さでペアリングしています。捕虫網で慎重にネットインしたものの♀はロスト。今シーズンは47mmの♂で口火を切ります。
結局、この日は60mmの♂を筆頭に2ペアを採集しました。
<採集条件>採集日 5月15日 天気 曇 気温 19° 風速 1m/s
当地はアカマダラハナムグリの個体数が多く、中でも5月ー6月初旬にかけて活発に活動しますが、6月中旬から全く見かけなくなりました。どうもこの時期から産卵に入るようで、8月になると再び樹液場で観察出来るのですが、産卵後のためブリードには不向きのようです。
ミヤマ新成虫の発生が続きます。写真の様に泥が耳状突起に残っている個体が見られます。密集した金色の微毛が美しいですね。
5月26日には当地では大型個体となる67.6ミリが採集できました。トップ画像にもあるように小さなコナラの木の枝から僅かに染み出す樹液木にて採集。耳状突起が発達した良い個体です。昨年は65ミリが最大でしたので、幸先良いですね。同日には短歯型ノコギリクワガタを今シーズン初めて観察しています。
<採集条件>採集日 5月26日 22:00-23:30 天気 曇 気温 18° 風速 0m/s 湿度 78%
② 6月
例年6月初旬に梅雨入りしますが、今年はやや遅く関東地方は6月14日に梅雨入りしました。6月に入っても引き続きコンスタントにミヤマが得れます。68ミリ、67ミリのミヤマを採集。
6/11採集68ミリ
6/30採集 67ミリ
67ミリの個体は歯型がユニークです。
至る所に樹液を吸っている個体が観察出来ます。
6月14日にヒラタクワガタを今シーズン初確認。発生初期なので、洞に入らず徘徊している感じです。
同月中旬からはノコギリクワガタの大型個体が目立つようになり、一回の採集で大歯でケースがほぼ満タンになることも。
♂最大は6/18採集 67.3ミリを筆頭に65ミリ以上はコンスタントに観察出来ました。
鋸歯の多い個体。6/25採集 67ミリ
今シーズンのノコギリクワガタ採集で特筆すべきは38.8mmの大型♀です。
39ミリに迫る個体を得ることはなかなか無いのでブリードすることに。今期最大の67.3ミリの個体と同居させます。(7/11 11卵回収済み)
ほぼ毎日山を徘徊するといろいろな出会いがありますね。
樹液を吸うマイマイカブリ。地面を這う個体よりも樹液に来ている個体をよく見かけます。
ヘイケボタル。近くに水場がないものの、1頭だけ宵闇に光を放っていました。
シロマダラ。昼間は活動しないため幻の蛇と呼ばれているようです。美しい蛇です。
③ 7月
同月初旬はミヤマ、ノコとも活動数がピークになり、18頭入るケースがすぐに満タンになります。
今期最大となるミヤマ68.5mmは7月5日、ヒラタ56.1mmは7月7日にそれぞれ採集。
7月中旬からカブトムシの発生ピークを迎えるとミヤマクワガタは忽然と姿を消し、カブトムシと闘って負傷したノコギリクワガタも増え、大型個体がこちらもいなくなってしまいます。
下旬にはほぼカブトムシになり、当地のクワガタ採集シーズンは終わりを迎えます。
3.ミヤマクワガタ採集まとめ
惜しくも70mmには届かず…60mm後半個体盛り合わせ写真
今期(5月15日ー7月25日)、当地ではミヤマクワガタを合計144頭採集。
去年と同じように6月中旬から7月初旬が発生ピークですね。その時期の夜間の気温は20°前後なので発生時期を梅雨時期前後にすることで低地の気候に適応しているのでしょう。風の弱い日は個体数が多かったですね。コナラの木から染み出す僅かな樹液を求めて林内を飛翔している感じです。
同産地大型個体でも耳状突起の発達等に差が見られます。
4.まとめ
シーズン当初設定していた目標設定には達しませんでしたが、昨年よりも好結果を出す事が出来ました。引き続き同じ目標設定をして足繁くフィールドに通いたいと思います。執拗な性格だからと思いますがよく飽きずに同じポイントに通い続けたものです...毎年、定点観測しそれを記録することで身近な自然の変化も見えてくることもあると思うので今後も続けたいと思います。
5.参考記事