1.はじめに
2サイクル目のパラワン島産パリーオオ。
WD(57mm×33mm)で購入して、8頭羽化しましたが、♀に偏りまくり1♂のみ完品羽化。それがこの65.8mmです…典型的な中歯タイプです。もっと展脚上手くなりてぇなぁ…
2019年3月下旬割出
2019年4月 大夢カワラ500cc
2019年7月 月夜野カワラ1400cc (21g)
2019年9月 捨てビン1400cc
2019年12月羽化
本種は大型個体でも内歯が真横に向き、やや下の方に出現してくる感じの中歯タイプが多く、75mmのレコード個体も中歯タイプです。
産地が近く内歯がゴリゴリ上を向いてスクエアなフォルムのミンダナオ産のパリーオオとは全然違う顔をしています。
ただ、少ないながらも大歯タイプも出るよう(産地?血統?)で、これがまた格好いいのってなんのって。
それがこちら。twitterで交流のあるじぇんつーさんが作出された素晴らしい個体の写真をお借りしたのですが、どうでしょう、この存在感。学名とは裏腹に湾曲は抑え気味の独特なフォルム含めとても映える個体で垂涎モノです。
今回はこの大歯タイプの作出を目指して複数ライン(数打ちゃ当たるだろ的なね…血統か産地だと思いますが敢えて心を殺します)で挑戦したいと思います。
2.ペアリング-幼虫飼育
①ペアリング(2020年11月20日-)
羽化用管理タッパーでお馴染み(パンピーには全くお馴染みではありません)の某100均ストア製品「きざみねぎ保存パック」はすのこ付きで、使い勝手が良いです。
②産卵セット(2020年11月26日-)
ホダ木を加水し埋め込んでセット。
③割出(2021年2月7日-)
ホダ木全体に齧られています。
卵も幼虫も材から出てきます。
結局2ライン(♀39.5mm、♀38.4mm)から合計12幼虫35卵回収。手元には12頭程残し、残りの卵は孵化を待ってブリード仲間に飛ばします。歩留まり考えると30頭くらい抱えたいところです。
幼虫飼育は、初令は管理温度を(24-25℃)にして一気に2令後期乃至は3令初期まで加齢させ、そこからは徐々に温度を下げて20℃程で蛹化、蛹化後に再び加温、羽化させる塩梅とし、♂は菌糸2本⇒最終瓶マットの3本リレー、♀は菌糸1本返しで臨みます。
3.羽化個体紹介
① ♂ 60 mm (♂65.8mm×♀39.5mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.7.9 DOS生オガ800cc 15g
2021.10M 羽化
② ♂ 62 mm (♂65.8mm×♀38.4mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.7.9 DOS生オガ1300cc 21g
2021.10M 羽化
③ ♂ 65 mm (♂65.8mm×♀38.4mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.7.9 DOS生オガ+グローバル ビートルマット800cc 18g
2021.10M 羽化
④ ♂ 68.0 mm (♂65.8mm×♀39.5mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.7.9 DOS生オガ1300cc 23g (頭幅12.2mm)
2021.10.18 蛹化確認 12.9g
2021.12M 羽化
本サイクル最大はこの68mm…顎閉じ写真で撮れば良かったな。顎閉じの方が本種の良さがにじみ出る気がします。
⑤ ♀ 37.4 mm (♂65.8mm×♀38.4mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.8M 羽化
⑥ ♀ 38.0 mm (♂65.8mm×♀39.5mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.8M 羽化
⑦ ♀ 38.5 mm (♂65.8mm×♀38.4mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.8M 羽化
⑧ ♀ 40 mm (♂65.8mm×♀38.4mm)
2020.11.26 セット
2021.2.7 割出→KBファーム AG800cc
2021.8M 羽化
4.まとめ
パラワンパリーの大歯作出…アウトでやらないとダメかもしれない…諦めずにインブリでしつこく続けますよ!! 最大個体No.④の顎閉じ画像。どっからどう見ても中歯タイプですね。お疲れ様でした!!何の成果も!!得れませんでした!!
内歯が上がっていく未来が見えません。
一応、飛躍感はないのですけれど、着実にサイズは伸びているので70mm超えも密かに目標として次世代も細々と続けます。続けますよ~(本記事n回目)
思ったよりも数を抱えれなかったんですよね。35卵回収したのですが、やや孵化率が悪かったのと、多頭管理期間が長くなってしまい、共食いで減ってしまいました。きちんと管理しないとすぐ絶えちゃいそう。
初令から水分多め・温度高め・菌糸新しめで管理したのですが、ダラダラ育つ感じで体重が思ったより乗らなかったです。菌糸は古め・水分多めが良いという点はレコード個体の飼育記事に記載されてましたが、菌糸古めは外していました。
八方美人ブリーダー&行き当たりばったり人間にとって、タイミングよく菌糸古めボトル用意するなんて至難の業なんですわ...てか水分多め、菌糸古めの”め”って何だよ!定性的過ぎてアタマ爆発しそうです。
温度はもうちょい低”め”でも良いような気もしますし、色んな”め”の検討余地があります…
このまとまりのなさ、なーんも掴んでいない証左でございます。ごめんなさい…
地道に大歯&70mm超えの茨の道をじっくり歩みます。継続は力なり…今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
5.参考資料