1.はじめに
今回飼育するのはサキシマヒラタクワガタ(Dorcus titanus sakisimanus)になります。日本を代表する大型のヒラタクワガタで飼育も簡単なのでブリードされている方も多いかと思います。石垣島、西表島、与那国島が産地となりますが、大顎の特徴に差異が出るようで、各産地大型個体をブリードして並べてみたいですね。今回は知人採集の西表島竹富町XX産WD♀個体をいただいたので、その飼育記事をまとめたいと思います。
2.種親紹介
♀39mm
WD♀としては大柄です。採集時期がシーズンオフ間近の11月中旬・樹液採集と聞いていたので産卵済み個体かな?と思っていましたが、受け取ってみるとズッシリして重量感のある個体でした。持ち腹前提で組みます。
3.産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化
①産卵セット(2020年11月12日)
2300ccボトルにDOS生オガ廃マットを詰めたセットに投入します。24-5℃で管理します。
投入後僅か4日で産卵を確認。油断していると大量に産む気配、一旦♀を引き上げます。
④割出-幼虫飼育(2020年12月2日-)
11頭を卵・初令(3幼虫8卵)で回収。序盤はヒラタケ系菌糸を詰めた430cc乃至は800cc、24-5℃で管理、3齢初期からは管理温度を20℃まで下げ、前蛹・蛹化段階で加温して羽化までもっていきました。菌糸→菌糸、菌糸→マットの混合リレーでやります。
⑤蛹化-羽化(2021年6月29日-)
蛹体重19gの個体。75mm行くと良いのですが…
羽化間近の♂
蛹で掘り出した個体は人口蛹室で羽化させました。
4.羽化個体紹介
① ♂ 71.7mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/8 グローバル ビートルマット1300cc (16g)頭幅12.2mm
2021/8/M 羽化
② ♂ 74.3mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 KBファーム AG800cc
2021/3/4 DOS生オガ+AG割カス 2300cc (25g)
2021/6/30 蛹化確認 (17g)
2021/8/E 羽化
③ ♂ 74.4mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/4 DOS生オガ+AG割カス 2300cc (19g)
2021/7/9 蛹化確認 (17g)
2021/8/E 羽化
④ ♂ 75.1mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/2/20 月夜野エレメント 1400cc (20g)
2021/7/1 蛹化確認 (19g)
2021/8/E 羽化確認
⑤ ♀ 35.6mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/8 前蛹確認
2021/5/E 羽化確認
⑥ ♀ 37.2mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/8 前蛹確認
2021/5/E 羽化確認
⑦ ♀ 37.5mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/8 前蛹確認
2021/5/E 羽化確認
⑧ ♀ 38.5mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/3/8 前蛹確認
2021/5/E 羽化確認
⑨ ♀ 41.8mm
2020/11/12セット→2020/12/2 割出
2020/12/16 月夜野BASIC 430cc
2021/2/20 DOS生オガ+AG割カス800 5g
2021/6/E 羽化確認
5.まとめ
管理上の不安があり意図的に採卵数を抑えてブリードしましたが74-5mm台を複数得れたので楽しいサイクルでした。累代も浅いので、継続して大型個体を掛け合わせ血統を作り込んでいければと。
石垣島産が大きくなる(野外・飼育レコードともに記憶が正しければ石垣島産)と言われていますが、西表島産でも頑張りたいですね。冒頭でも述べましたが、石垣島産、与那国島産も(出来れば自己採集で)ブリード、大型♂を並べて悦に浸りたいところです。