stag_beetle_japan

クワガタ飼育・採集を中心に自身の趣味・日常を綴ります 

サキシマヒラタクワガタ(西表島産)WF1 飼育記録まとめ

f:id:kohya0727tj:20220209124519j:plain

西表島産 サキシマヒラタクワガタ

1.はじめに

今回飼育するのはサキシマヒラタクワガタDorcus titanus sakisimanus)になります。日本を代表する大型のヒラタクワガタで飼育も簡単なのでブリードされている方も多いかと思います。石垣島西表島与那国島が産地となりますが、大顎の特徴に差異が出るようで、各産地大型個体をブリードして並べてみたいですね。今回は知人採集の西表島竹富町XX産WD♀個体をいただいたので、その飼育記事をまとめたいと思います。

2.種親紹介

♀39mm

f:id:kohya0727tj:20220208223050j:image

f:id:kohya0727tj:20220208223104j:image

WD♀としては大柄です。採集時期がシーズンオフ間近の11月中旬・樹液採集と聞いていたので産卵済み個体かな?と思っていましたが、受け取ってみるとズッシリして重量感のある個体でした。持ち腹前提で組みます。

3.産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化

①産卵セット(2020年11月12日)

f:id:kohya0727tj:20220208223233j:image

2300ccボトルにDOS生オガ廃マットを詰めたセットに投入します。24-5℃で管理します。

f:id:kohya0727tj:20220208223246j:image

投入後僅か4日で産卵を確認。油断していると大量に産む気配、一旦♀を引き上げます。

④割出-幼虫飼育(2020年12月2日-)

f:id:kohya0727tj:20220208223254j:imagef:id:kohya0727tj:20220208223318j:image

11頭を卵・初令(3幼虫8卵)で回収。序盤はヒラタケ系菌糸を詰めた430cc乃至は800cc、24-5℃で管理、3齢初期からは管理温度を20℃まで下げ、前蛹・蛹化段階で加温して羽化までもっていきました。菌糸→菌糸、菌糸→マットの混合リレーでやります。

⑤蛹化-羽化(2021年6月29日-)

f:id:kohya0727tj:20220208223351j:image
f:id:kohya0727tj:20220208223337j:image

蛹体重19gの個体。75mm行くと良いのですが…f:id:kohya0727tj:20220208223343j:image

羽化間近の♂
f:id:kohya0727tj:20220208223340j:image

蛹で掘り出した個体は人口蛹室で羽化させました。

4.羽化個体紹介

① ♂ 71.7mm 

f:id:kohya0727tj:20220209120627j:image
2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/8 グローバル ビートルマット1300cc (16g)頭幅12.2mm

2021/8/M 羽化

② ♂ 74.3mm 

f:id:kohya0727tj:20220209120700j:image
2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 KBファーム AG800cc

2021/3/4 DOS生オガ+AG割カス 2300cc (25g)

2021/6/30 蛹化確認 (17g)

2021/8/E 羽化

③ ♂ 74.4mm 

f:id:kohya0727tj:20220209120723j:image

2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/4 DOS生オガ+AG割カス 2300cc (19g)

2021/7/9 蛹化確認 (17g)

2021/8/E 羽化

④ ♂ 75.1mm f:id:kohya0727tj:20220209120725j:image
2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/2/20 月夜野エレメント 1400cc (20g)

2021/7/1 蛹化確認 (19g)

2021/8/E 羽化確認

 

⑤ ♀ 35.6mm 

f:id:kohya0727tj:20220209124315j:image

2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/8 前蛹確認

2021/5/E 羽化確認

⑥ ♀ 37.2mm 
f:id:kohya0727tj:20220209124332j:image

2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/8 前蛹確認

2021/5/E 羽化確認

⑦ ♀ 37.5mm 
f:id:kohya0727tj:20220209124335j:image

2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/8 前蛹確認

2021/5/E 羽化確認

⑧ ♀ 38.5mm 
f:id:kohya0727tj:20220209124337j:image

2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/3/8 前蛹確認

2021/5/E 羽化確認

⑨ ♀ 41.8mm 
f:id:kohya0727tj:20220209124317j:image
2020/11/12セット→2020/12/2 割出

2020/12/16 月夜野BASIC 430cc

2021/2/20 DOS生オガ+AG割カス800 5g

2021/6/E 羽化確認

5.まとめ

f:id:kohya0727tj:20220209120746j:image

管理上の不安があり意図的に採卵数を抑えてブリードしましたが74-5mm台を複数得れたので楽しいサイクルでした。累代も浅いので、継続して大型個体を掛け合わせ血統を作り込んでいければと。

f:id:kohya0727tj:20220209145903j:image

石垣島産が大きくなる(野外・飼育レコードともに記憶が正しければ石垣島産)と言われていますが、西表島産でも頑張りたいですね。冒頭でも述べましたが、石垣島産、与那国島産も(出来れば自己採集で)ブリード、大型♂を並べて悦に浸りたいところです。

6.参考資料