1.はじめに
ミシマコクワガタ(Dorcus rectus mishimaenshis) は、鹿児島県南方の島嶼エリア(男女群島?、黒島、竹島、硫黄島、口永良部島)に生息しているワインレッドの体色が美しいクワガタです。今回は硫黄島産を飼育しましたが、2006年に制定された三島村の条例で三島村管轄の硫黄島、黒島、竹島が採集禁止となっています。渡航するのも難儀な場所で、採集禁止になってから時間が経っているものの、ブリード品の入手は可能です。野外レコード:49.4mm、飼育レコード:51.4mm (2022年9月時点) とりあえず40mm後半をターゲットにブリードしていきます。
2.種親紹介
三島村 硫黄島 稲村岳産 CBF2
♂38mm
♀25mm
雌雄ともに2019年9月羽化
3.ペアリング-幼虫飼育
① ペアリング(2020年12月20日-)
2019年9月羽化のペア。2019年11月末に購入。1年程20-22°で管理、ペアリングの際は24-5°まで加温させ同居させました。
② 産卵セット (2020年12月27日-)
パン屋さんにカワラ材Sサイズを埋め込みんで同居セット。
③割出(1回目 2021年3月14日/2回目 2021年6月5日)
割り出すと朽木に頭を突っ込んで我が子を捕食している状態の♀がいました。きちんと管理しないとこういうことが起こります。マメに割出しないとダメですね。
初令幼虫
1回目の割出のみで9幼虫と卵複数を得ました。丁度良い数です。資材の在庫の関係から菌糸とマット両方で飼育してみたいと思います。
4.羽化個体紹介
① ♂40.8 mm
2020/12/27 セット
2021/6/5 割出 → DOS生オガ500cc
2022/5/E 羽化確認
② ♂44.5 mm
2020/12/27 セット
2021/3/14 割出 → KBファーム AG800cc
2021/9/16 廃マット(捨て瓶) 500cc
2022/5/E 羽化確認
③ ♂44.7mm
2020/12/27 セット
2021/6/5 割出 → DOS生オガ500cc
2022/5/E 羽化確認
④ ♂45.4mm
2020/12/27 セット
2021/6/5 割出 → DOS生オガ500cc
2022/5/E 羽化確認
⑤ ♀ 27.8mm
2020/12/27 セット
2021/3/14 割出 → KBファーム AG800cc
2021/9/16 廃マット(捨て瓶) 500cc
2022/5/E 羽化確認
⑥ ♀ 28.6 mm
2020/12/27 セット
2021/6/5 割出 → DOS生オガ500cc
2022/5/E 羽化確認
⑦ ♀ 30.5 mm
2020/12/27 セット
2021/3/14 割出 → KBファーム AG800cc
2021/9/16 廃マット(捨て瓶) 500cc
2022/5/E 羽化確認
⑧ ♀ 30.6 mm
2020/12/27 セット
2021/3/14 割出 → KBファーム AG800cc
2021/9/16 廃マット(捨て瓶) 500cc
2022/5/E 羽化確認
5.まとめ
今回8頭が羽化しましたが、2回目の割出分も合わせるとヒネた個体が多く結構な数が羽化前に★になってしまいました。マットの状態が劣化してしまいそのまま放置してしまったんですよね…グングン大きくなる虫であれば早く交換しないと!という意識が働くのですが、中・小型種って目に見えて大きくなりにくいので、(私はあまりテンションが上がらず)管理が疎かになりがちです。それにも関わらず、1本返しでも意外とサイズが伸びてくれた個体もいたので、もう少し真面目に飼育してみようかなと反省しています。
反省はこのあたりにするとして、実際に手に取って見ないと中々伝わらないのが歯痒いところですが、離島コクワガタは美しいですね。形状も独特ですし。
ミシマコクワって線の細いイメージだったのですが、今回のラインは、前胸背板が広くガッチリした印象で独特のフォルムで楽しめました。離島コクワ各種の差異など自分の目で見比べてみたいので、少しづつ手を出してみたいと思います。
6.参考資料・資材