1.はじめに
今回飼育したのは幼虫で自己採集したイヘヤネブトクワガタ(Aegus nakanei doii)が羽化、その次サイクルの飼育記録になります。イヘヤネブトクワガタはオキナワネブトクワガタ(Aegus nakanei nakanei)の亜種として2002年に登録、伊平屋島固有種です。流通している産地は腰岳や後岳などが有名ですが、それ以外の場所でも発見例があり、薄く広く生息しているようですね。原名亜種と比較して雌雄ともに黒化し、♂の大顎は太く湾曲が弱いようです。
2.種親紹介
林道に横たわる土化した朽木から得られた本種の幼虫。コカブトが入っていたため8頭のみでしたが、ブリードには十分です。
① ♂フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
② ♂フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
③ ♂フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
④ ♂17.1mm
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
⑤ ♀フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
⑥ ♀フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
⑦ ♀フリーサイズ
2021.3.29 採集
2021.3.30 現地で得た土化したフレークを使用 90cc プリカにて羽化
2021.9M 羽化確認
4♂3♀が羽化、最大は17.1mmでした。本種は食が細く大きくなりづらいようですが、個別管理したとはいえ、90ccプリカで羽化させたので軒並みスイカの種サイズです。飼育レコードは26.6mmとモンスターサイズなので、とりあえず親越えを目指して飼育したいと思います。
3.産卵セット-幼虫飼育
①同居(2021年10月初旬)
ひと月ほど同居させます。
②産卵セット(2021年10月30日)
小ケースに種親の幼虫飼育で使った食いカスとNマットをブレンド、篩掛けし加水、湿らせた水苔を敷いてセットします。国産ネブトは低添加・低栄養の発酵が進んだマットが必須です。自然下においても黒く土化した朽木やそのような倒木と地面の接地している地面側で多く幼虫が得られたりするので、人工飼育でもそのような環境を再現する必要があります。
② 卵確認(2021年12月3日)
セットしておよそひと月ほどで卵が無数に見えました。管理温度は24-5℃
③ 孵化確認(2021年12月29日)
小さな幼虫が見えます
④ 割出(2022年9月13日-)
直径2センチ、長さ4センチ程度の繭玉。孵化を確認してから9か月ほど。温度は一貫して24-5℃。産卵セット据置で多頭管理していました。
前蛹個体も含めると50頭近く得ることが出来ました
4.羽化個体紹介
① ♂12.8mm
② ♂13.5mm
③ ♂14.3mm
④ ♂15.7mm
⑤ ♂15.7mm
⑥ ♂15.9mm
⑦ ♂16.2mm
⑧ ♂16.3mm
⑨ ♂16.3mm
⑩ ♂16.8mm
⑪ ♂16.9mm
⑫ ♂17.4mm
⑬ ♂17.6mm
⑭ ♂18.0mm
⑮ ♂18.4mm
⑯ ♂18.6mm
⑰ ♂20.0mm
⑱ ♂21.0mm
⑲- ♀14.9mm
5.まとめ
孵化してから2-3か月くらいで個別管理したかったのですが、忙しかったため多頭飼育を敢行、サイズがばらついてしまいました。自己採集個体で愛着があるので、次世代も継続し、20mm越えで固めたいと思います。
6.参考資料・資材