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クワガタ飼育・採集を中心に自身の趣味・日常を綴ります 

モウホツヤクワガタ (タイ王国ターク県産)CB 飼育記録まとめ

モウホツヤクワガタ
Odontolabis mouhoti elegans

1.はじめに

 モウホツヤクワガタのミャンマー南東部、タイ西部-北部亜種(Odontolabis mouhoti elegans)の飼育記事になります。今回飼育したのはタイ北部ターク県産を飼育しましたが、生体のラベルはナン産、カンチャナブリ産などもよく見かけますかね。今回の飼育記事は知人からの幼虫をいただたものになります。次サイクルを回すためのコンサバ飼育でやや薄めな内容的ですので悪しからず… 

 本種は、エリトラが淡いクリーム色で頭部と胸部が漆黒のツートンカラーが特徴的な美しいツヤクワガタです。クベラツヤクワガタと似ていますが、クリーム色部分の占有率が高いのが本種の特徴です。

 今回飼育したelegansの他に、原名亜種(カンボジアやタイ中部-南東部)、ベトナム南部亜種に分けられ、地域変異が楽しめる種類です。原名亜種のタイ中部産、カンボジア産も飼育しているので、この辺りの違いはまたタイ中部産の飼育記事でまとめたいと思います。

 タイでは普通種なのか、9-10月頃にタイ産WD便がコンスタントに輸入されるので、毎回秋がきたなぁと思います。

2.種親紹介

N/A(今回は幼虫飼育スタートのため未掲載)

3.幼虫飼育

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2023年4月割出個体。割出後は200ccプリカで2-3頭づつ多頭管理。二齢で1400ccのクリアスライダーにブレンドマットを入れて個別管理。管理温度は18-20℃で一定です。

4.蛹化-羽化

① 蛹化

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長歯で蛹化。

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2024年8月下旬 繭割にて♀の羽化を確認。繭はカラカラに乾燥、石のように固化。オスとほぼ同時期に羽化している印象。f:id:kohya0727tj:20241206161925j:image

2024年8月下旬羽化確認した♂ まだ赤味が残っていますが、完全に体が固まると真っ黒になります。

5.羽化個体紹介

① ♀ 39.3mm

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2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/1/16 繭入り確認

2024/8/20 羽化確認

 

② ♀ 45.4 mm

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2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/8/20 羽化確認

 

③ ♂  58.9 mm

f:id:kohya0727tj:20241208012351j:image

2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/1/16 繭入り確認

2024/8/20 羽化確認

 

④ ♂ 70.1 mm

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2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/8/20 羽化確認

 

⑤ ♂ 70.2 mm

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2023/4/25 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/8/22 羽化確認

 

⑥ ♂ 70.6 mm

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2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/1/15 繭入り確認

2024/8/20 羽化確認

 

⑦ ♂ 72.3 mm

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2023/4/18 割出→200cc プリカ多頭飼育

2023/7/20 グローバル ビートルマット+RTN Nマット 1400cc 

2024/1/15 繭入り確認

2024/8/20 蛹化確認14.4g

2024/10/M 羽化確認

 

6.まとめ

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モウホエレガンス、長歯が簡単に出てくるので楽しいですね。 顎の湾曲が強めな個体や伸びやかな個体だったりと、同腹でも歯型や体型に明確に差が出るのも興味深かったです。⑤の70.2ミリは大顎がストレートタイプで気に入っており、45ミリUPと比較的大型のメスとペアリングさせるつもりです。

飼育温度は18−20°で特段変化をつけないで1400ccのクリアスライダー1本返しの飼育です。頂き物ということもあり、尖った飼育はしていないということもあるかと思いますが、時折ケース側面から見える幼虫で目を見張るような大型個体は居らず、食は細めな印象でした。ツヤクワガタ全般に当てはまることかと思いますが、本種も前蛹期間が長いです。感覚的ですが、ツヤクワガタの中でも長めな方である気がします。

やや低めの温度管理であったものの雌雄で羽化ズレはほとんど見られませんでした。メスが先に羽化するのが普通ですが、羽化時期はほぼ一緒だったようです。とりあえず繭を全壊せずに容器から取り出し、加水した水苔を入れたボトルに移し替えて、24−5°まで加温し管理。すると9−10月頃からオスが活動を開始、メスは繭で待機しており、オスが充分に後食開始した11−12月頃から繭から自力ハッチしてすぐに後食開始、ペアリングも非常にスムーズでした。

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活動開始すると雌雄ともに草を連想させるような青臭いフェロモン臭を放つのが特徴的で成熟の目印にもなるかと思います。次サイクルは75ミリUPを目標にがんばってみたいと思います。

7.参考資料・資材