1.はじめに
80mmを超える体躯・独特の形状・色・艶と魅力が詰まったババオウゴンオニクワガタ。ここ1-2年高騰していましたが、値段も落ちついてきましたね。購入ハードルは下がったのですが、代表的なカワラ種なので、産卵セット・幼虫飼育のコストもかかりますし、カワラ自体のハンドリングが結構面倒なので、私のように手当たり次第数抱えている金欠ブリーダーにとっては飼育のハードルは相変わらず高いままです…カワラ種で統一すると管理面では違うのですが、どうしてもコストがネックになるんですわよ…本種の周辺情報は、別ラインの飼育記録記事となりますが(詳細生息地の私の妄想含めて)まとめていますので、もし宜しければこちらもご参照ください。
2.種親紹介
ミャンマータニンダーリ産 ♂ 53mm CB、 ♀46mm CBF3
羽化後半年以上経過し、後食開始して暫く経過した個体になります。
3.ペアリング-産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化
①ペアリング(2020年3月‐)
交尾欲旺盛な種なので即ブリのペアリングは非常に楽です。目視で確認。
②産卵セット(2020年4月‐)
植菌霊芝材を使用しています。反応が良いのですがお値段張ります…。今シーズン、ローゼンでも採卵できたので、来シーズンは800カワラボトルにしようかなと思っています。
③割出(2020年4月-2020年5月)
♀の反応がよく1度に10卵程産んでくれますが、すべてが健康卵ではなく、改めて歩留まりの悪い虫だなと思ってしまいます。 採卵した後はウェットティッシュに乗せて個別管理。24-5℃の環境で管理します。
④幼虫飼育(2020年4月26日-)
孵化第一号。1か月程マットで養生させカワラボトルへ投入していきます。写真のように皮が残ってしまう場合は霧吹き等で湿らしてあげると綺麗にとれます。
当代サイクル最大体重は20gでした。3本目の交換でこれなので、70mmUPには少し厳しい体重。他の個体は軒並み大暴れ+ダイエット。
⑤前蛹(2020年9月-)
早い個体は9月頃から蛹室を作り出しました。この個体は孵化から僅か5か月程。
⑤蛹化(2020年11月-)
2021年1月蛹化個体。唯一の大歯。蛹体重は14g うーん目標としていた70mmはなさそうですねぇ。
⑤羽化(2020年12月-)
♀は2020年12月頃から、♂は2021年1月頃から羽化。
大歯の♂も無事羽化してくれました。
はい、次項は羽化個体紹介です。しょぼしょぼ個体のオンパレードでお目汚しをば失礼致します…
4.羽化個体紹介
① ♂ 51.8mm
2300ボトル使ってこのサイズは泣けます。
2020/5/23 割出(卵)→6/7 孵化 (Uマットにて養生)
2020/6/21 月夜野カワラ 500cc
2020/9/6 KBファーム カワラ 2300cc (10g)
2020/11/29 DOS 生オガ/捨て瓶 800cc (12g)
2020/12/12 蛹化確認
2021/2/M 羽化確認
② ♂ 53.8mm
こちらは2300ボトルで18gまで乗ったものの、その後5gの激しいダイエット。目も当てられません…
2020/4/12 割出(卵)→4/28 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/30 KBファーム カワラ 2300cc (12g)
2020/9/22 月夜野 カワラ1400cc (18g)
2020/11/29 DOS 生オガ/捨て瓶 800cc (13g)
2020/12/M 蛹化確認
2021/2/M 羽化確認
③ ♂ 54.6mm
ノーコメント。
2020/4/12 割出(卵)→4/27 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/28 KBファーム カワラ 1400cc (10g)
2020/9/22 月夜野 カワラ800cc (12g)
2021/1/M 羽化確認
④ ♂ 57.9mm
ノーコメント。
2020/4/12 割出(卵)→4/28 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/30 KBファーム カワラ 1400cc (10g)
2020/9/22 月夜野 カワラ1400cc (16g)
2020/11/29 DOS 生オガ/捨て瓶 800cc (14g)
2020/12/B 蛹化確認
2021/1/E 羽化確認
⑤ ♂ 58.1mm
ノーコメント。
2020/3/28 割出(卵)→4/27 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/30 KBファーム カワラ 2300cc (12g)
2020/9/22 月夜野 カワラ1400cc (16g)
2020/11/22 DOS 生オガ/捨て瓶 800cc (13g)
2021/2/13 羽化確認
⑥ ♂ 68.1mm
なんとか大歯1頭出せました...
2020/4/12 割出(卵)→4/27 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 800cc
2020/7/30 KBファーム カワラ 2300cc (12g)
2020/9/22 月夜野 カワラ1400cc (20g)
2021/1/11 蛹化確認(14g)
2021/1/16 羽化確認
⑦ ♀41.7mm
♀は1頭のみ写真紹介。
2020/5/23 割出(卵)→6/8 孵化 (Uマットにて養生)
2020/6/21 大夢カワラ 500cc
2020/9/6 KBファーム カワラ 1400cc (9g)
2020/9/22 月夜野 カワラ800cc (9g)
2020/12/E 羽化確認
⑧ ♀47.1mm
2020/4/12 割出(卵)→4/28 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/30 KBファーム カワラ 1400cc (13g)
2020/12/4 蛹化確認
2021/1/11 羽化確認
⑨ ♀41.7mm
2020/4/12 割出(卵)→4/28 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/7/31 KBファーム カワラ 1400cc (9g)
2020/12/4 羽化確認
⑩ ♀44.2mm
2020/4/12 割出(卵)→4/28 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/8/6 KBファーム カワラ 1400cc (11g)
2020/10/4 蛹化確認
2020/12/B 羽化確認
⑪ ♀45mm
2020/4/21 割出(卵)→5/11 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/8/6 KBファーム カワラ 1400cc (10g)
2020/9/22 月夜野 カワラ 800cc (11g)
2020/12/4 蛹化確認
2021/1/M 羽化確認
⑫ ♀44.7mm
2020/4/12 割出(卵)→4/27 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 800cc
2020/7/31 KBファーム カワラ 1400cc (6g)
2020/9/22 月夜野 カワラ 800cc (12g)
2020/11/22 DOS 生オガ/捨て瓶 800cc (11g)
2020/12/4 蛹化確認
2021/2/M 羽化確認
⑬ ♀46.3mm
2020/4/21 割出(卵)→5/9 孵化 (Uマットにて養生)
2020/5/17 大夢カワラ 500cc
2020/8/1 KBファーム カワラ 1400cc (9g)
2020/9/22 月夜野 カワラ 800cc (11g)
2020/12/4 蛹化確認
2021/1/M 羽化確認
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。しょぼしょぼです、ハイ。目標としていた70mmUPの個体作出は叶いませんでした。この大歯が出ていなかったら心が折れていたかもしれません。今回、3本返しを想定していましたが、2本目で十分に体重が乗らず、最終瓶の序盤からダイエットを伴う大暴れなど、受難続きでした。また、2本目の自詰めしたカワラの状態が明らかに良くなかったので、次回は既製品を使おうかな…と思ったり。カワラ自詰めへのモチベーションが打ち砕かれました…
今回の唯一の収穫は、暴れを確認したら直ちに容量の小さい捨て瓶(固く詰めたマット)へ移し、24-5℃環境に昇温することでスムーズに蛹化させることが確認できたことくらいでしょうか。次サイクルは20gを超えるような幼虫で複数やってみたいですね。
横からの歯型変化
大歯の何が良いかというと、横から見た大顎の構造の格好良さもあるかと思います。大中小で並べるとこんな感じ。これをみると大歯に拘りたくなりますわね。
今回最大個体は68mmでしたので、次回こそは70mm越えを出したいところです。もう自詰めで失敗するのはイヤなので、既成ボトル 800→1400→1400の3本返しを前提とし、暴れたら即昇温、小容量/マット捨て瓶投入で極力体重落とさないことを意識しつつやってみようかなと。幼虫体重は25g以上、蛹体重は17-8gが目安にして継続!