1. はじめに
今回の飼育記事は、マレーシア産 アスタコイデスノコギリクワガタ(Prosopocoilus astacoides mizunumai) になります。毎年WD個体が輸入されていて飼育人口も多いですね。WDで80mm超え個体が売られているとデカい!となるのですが90mm個体も存在するとかしないとか。(飼育レコードは82.4mm)
とりあえず今回はゆるーく70mm超えを目標に取り組んでみたいと思います。実はWD♀単を2頭格安で購入して持腹前提で挑戦していたのですが、出涸らし♀だったようで失敗していました。本種ブリード諦めたかけていたところH氏からペアをヘルプいただけることに。この場を借りて御礼申し上げます。
2. 種親紹介
マレーシア キャメロンハイランド産 WF1 ♂ 2020年5月中旬羽化個体
マレーシア キャメロンハイランド産 CB ♀ 2020年4月中旬羽化個体
3. ペアリング‐産卵セット‐割出-幼虫飼育‐蛹化‐羽化
ペアリング(2020年12月16日‐)
上述したとおり、別ラインで羽化時期はほぼ同じです。活動開始したのは2020年12月中旬。20℃管理で7-8か月くらい寝ていました。
交尾・メートガードまでしっかり確認出来たので大丈夫そうですね。
産卵セット(2020年12月27日‐)ぱんやさんにカワラ材をマットに埋め込んだ気合いの入ったセット。柔らかめのホダ木でも問題ないと思います。
割出(2021年2月21日‐)
幼虫と卵併せて30以上回収できました。マットにも産卵していましたが、材の表面も激しく齧られ卵が産みつけられていました。やはり材もあった方が良さそうです。数採れたので一部を知人に託します。
幼虫飼育(2021年3月‐)
1本目はカワラ菌糸飼育、2本目はマット飼育で臨みます。管理温度は20℃ほど。2本目交換時の最大個体。12-3gまで乗って欲しかったところ。カワラ菌糸のハンドリングが我ながらヘタ過ぎるのでカワラ使うのは鬱になります...
蛹化(2021年10月25日‐)
大歯というには些か物足りない個体達…
羽化
撮影用で人口蛹室で羽化させた♂
大顎の湾曲が物足りません...
4. 羽化個体紹介
① ♂ 48.8mm
2021/2/21 割出
2021/3/8 月夜野カワラ550cc
2021/7/9 DOS生オガ+KSK800cc 6g
2021/9/M 羽化
② ♂ 58.6mm
2021/2/21 割出
2021/3/8 月夜野カワラ800cc
2021/7/9 KSK800cc 8g
2021/9/M 羽化
③ ♂ 54.7mm
2021/2/21 割出
2021/4/10 月夜野カワラ550cc
2021/7/9 MDマット800cc 9g
2021/9/M 羽化
④ ♂ 65.0mm
2021/2/21 割出
2021/3/8 月夜野カワラ800cc
2021/7/9 MDマット1500cc 10g
2021/10/23 蛹化確認 6.9g
2021/11/M 羽化
⑤ ♂ 69.1mm
2021/2/21 割出
2021/3/8 月夜野カワラ800cc
2021/7/9 MDマット800cc 3g
2022/1/19 蛹化確認 8.6g
2022/2/M 羽化
⑥ ♀ 35mm
2021/2/21 割出
2021/6/5 DOS 3次発酵マット800cc 1
2021/9/M 羽化
⑦ ♀ 37mm
2021/2/21 割出
2021/3/8 月夜野カワラ550cc
2021/7/9 DOS生オガ1300cc 2g
2021/11/M 羽化
⑧-⑩♀割愛
5. まとめ
目標設定した70mmUPは作出できず。1本目のカワラから出てきた幼虫の成長度合いにバラツキ(♂で3g-10gのレンジ)がありました。最大個体(⑤69.1mm)の1本目体重は3gでしたが、2本目マット飼育で急成長...と傾向が全然掴めません...別に図鑑作るわけでもないので大中小とバラエティに富んでくれなくていいんですよ...
2本目のマット飼育では発酵度合いの異なる3種類を使用、最も発酵が進んだビートルマット(グローバル製)は全滅。水分量もやや多めで終盤泥化してしまっただけとは思いますが、今後ブリードすることがあれば選択肢から外したいと思っています。うーん、何も語れない…アスタコ...難しい…。