1.はじめに
今回はTwitterで仲良くさせてもらっているH氏から通称、マレーライヒで親しまれているハンステインヒラタクワガタ(Dorcus hansteini prosti)の幼虫をいただきました。今回記事は幼虫飼育記録の位置づけとし本種の周辺情報等の紹介は割愛します。
2.種親
幼虫だけではなく種親(ゲンティンハイランド産ワイルドペア)もいただいており、再セットして搾り取ろうかと思ったのですが、♀が早々に落ちてしまい実現せず。♂は40mmほど。ライヒ系の典型的な中歯の大顎をしています。中小型個体はエリトラの点刻が出てくることが知られています。
♀は27-8mmといったところ。
3.幼虫飼育-蛹化-羽化
割出は2021年5月末。割出から5ケ月程の2021年10月中旬。2本目への交換。最大個体は12.6gを計測。これだと60mmいくかいかないか。レコード(飼育レコード63.4mm 野外レコード66.4mm)を狙うのであればもっと体重乗せる必要がありますね。20℃管理から15℃まで下げましたが、ややタイミングが遅く、暴れが見られましたので一気に温度を上げて蛹化させました。
2022年9月末、♀は一足先に蛹化。
2021年11月末 加温(25℃管理)して蛹化させた♂ 大顎の内歯が特徴的ですね。
2021年12月末 まだ赤味の残る羽化直後の♂
4.羽化個体紹介
① ♂ 56.5mm
2021/5/E 割出
2021/7/17 AG500cc
2022/1/18 蛹化確認 7.1g
2022/2/M 羽化
② ♂ 58.7mm
2021/5/E 割出
2021/7/17 AG500cc
2021/12/9 MDマット1300cc 12.6g
2022/1/18 蛹化確認 8.0g
2022/1/29 羽化確認
③ ♂ 58.5mm
裏面
2021/5/E 割出
2021/7/17 AG500cc
2021/11/15 MDマット1300cc 11.5g
2022/1/18 蛹化確認 7.6g
2022/2/M 羽化
④ ♀ 32.4mm
2021/5/E 割出
2021/7/17 AG500cc
2021/9/M 蛹化
2021/11/M 羽化
(参考記録)
♂60mm
2021/5/E 割出
2021/7/17 AG500cc
2021/11/15 MDマット1300cc 11.0g
2022/1/18 蛹化確認 8.4g
2022/2/M 羽化
5.まとめ
①や②は横に太いマッシブなフォルム。参考個体は60mmまで伸びましたが羽パカで死亡。終齢体重が伸びたようだったので残念です。一方、③のようにスラっと縦に伸びそうな体型且つ終齢の成長に期待が持てそうな個体も出てきたので次世代はこの個体を種親にしてみたいと思います。