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クワガタ飼育・採集を中心に自身の趣味・日常を綴ります 

マンディブラリスフタマタクワガタ(スマトラ ジャンビ産)WF1 飼育記録まとめ

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マンディブラリスフタマタクワガタ WF1 ♂97mm

1.はじめに

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マンディブラリスフタマタクワガタはボルネオ島スマトラ島に生息し、ボルネオとスマトラで亜種分けされていますが、今回飼育したのはスマトラ亜種(Hexarthrius mandibularis sumatranus )です。ジャンビやブンクルのラベルをよく見ますね。

現地での採集方法は、1000M以上の高地において灯火採集との記載が文献にありますが、ヤシ科?の実に集まっているような動画をキャッチャーが公開していたのを見たことがあるので樹液採集も行われているのだと思います。

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灯火採集では、飛来した個体を確実に採集できるように漁網のようなものを設置しているようで、私が購入した個体にも細いナイロン糸が絡んでいました。非常に見辛いですが、白髪のような糸が突き出ています。拡大して撮影しておけば良かった… 
2.種親紹介

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2019年5月初旬にジャンビ産WDペアを2,980円で店頭購入。この頃は野外品が安定的に入っていてリーズナブルでしたね。

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♂86mm 顎先が欠けていますが非常に元気な個体。

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♀45mm 重量感あり爪の掛かりも十分で状態が良い。

3.(番外編)近縁種の♀比較

余談ですがスマトラ島では本種と近縁のパリーフタマタクワガタとリノケロスフタマタクワガタが同所的に生息しており、♀を見分けることが非常に困難です。この時もマンディブラリスかどうか確信が持てずに居ましたが、結果として本種で間違いありませんでした。 文献やネットでも近縁種の接写写真を並べたものがすぐには見つからなかったので、以下掲載します。ご参考まで。左から本種、中央がパリーフタマタWF1、右がリノケロスフタマタWDです。リノケはまだ幼虫なので確定ではない点ご承知置き下さい。

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マンディの頭楯がセアカに比べて僅かに凹みが深いような気がします。リノケは前胸背板縁部が寝ている(いかり肩)特徴があると聞きますが結果やいかに...

4.ペアリング-産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化

 ①ペアリング-産卵セット(2019年5月初旬)

凶悪な顎の持ち主ですが♀に対しては柔和なので特段対策はせずに同居させます。

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植菌レイシ材で組んだのですが菌糸の再生力が強く、すぐに被膜形成してしまい♀が全く反応を示さなかったので、上記セットに自作のバクテリア材を投入。管理温度は20-22度。

②割出(2019年7月13日)

写真を撮り忘れてしまったのですが、材の表層にマットを擦り付けたような痕跡を割ってみると卵を発見。

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1回目からは9卵採取が出来ました。自作バクテリア材から6卵、レイシ材からは3卵を回収しましたが、レイシ材はMサイズ×2(うち1本は水分過多?で産卵無し)、自作バクテリア材はSサイズ×1だったので、実質的にはバクテリア材に軍配が上がりました。植菌材は被膜形成するので♀が忌避しているような印象でした。やはりカビの生えにくいバクテリア材が王道なのでしょう。インドネシア系のフタマタは長寿ですし在庫無いときや作るのが面倒なときは加水したホダ木そのまま入れちゃいますけど…

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まだ産みそうな雰囲気だったので再セット。土埋乾燥レイシ材、自作バクテリア材を使用。床材は1回目と同様に爆産くん特Aマット。

(7/21)

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孵化確認。

(8/22)

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材の裏面をみるとマットがびっしりと付着しています。この付着物を慎重に取り除くと卵と初齢幼虫が回収できました。

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硬くて割っていなかった材からも回収しました。

④幼虫飼育(2019年7月~)

1本目は菌糸飼育とマット飼育の両方です。菌糸の使用銘柄は北斗恵栽培園さんのカワラブロックを自詰したものを、マットは生オガ系を複数銘柄使用しました。本種の特徴として初齢の発育スピードがとても遅いのでやきもきさせられますね。管理温度は一貫して18-20度の範囲で行っていました。

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 カワラが劣化したので交換。初回投入から10か月近く経過しているにも関わらず8g程度しかない♂の幼虫(2020年2月21日)

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2齢後半?以降急激に成長する印象ですね。坑道を作って居食いをしています。この個体はDOS生オガを詰めた3250CCへ投入(2020年5月15日)

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この個体は28gまで成長して良い雰囲気でしたが、交換後に馴染めずボトル付近をワンダリング、結局羽化までロクに潜りませんでした。交換タイミングなのか、交換したマットの状態(坑道を再構築しなければならないので酸欠になる?)に馴染めないのか、課題がありそうです。この交換後のワンダリングをさせない工夫が本種の幼虫飼育のポイントのような気がします。

③蛹化-羽化

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 ♀は早い個体で2020年5月に蛹化を確認し同年6月には羽化。

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同様に♂は2020年6月蛹化、7月に羽化し、小さいながらも羽化時期が揃ったので累代継続の切符は手にすることが出来ました。

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ここから少し時間が空いて2021年に入ってから後続の大型♂が蛹化。蛹体重は20g程。

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最大個体は2021年1月中旬に羽化。

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テネラルが美しいですね。

5.羽化個体紹介

以下、ざっと羽化個体を紹介していきます。

♂70mm 

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2019年7月13日割出 

2019年7月21日孵化

2019年7月23日 北斗恵栽園カワラ1400

2019年12月15日 100%クヌギ生オガマット1400(8g)

2019年5月14日 前蛹確認

2019年7月13日 羽化

② ♂ 93mm

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2019年7月13日割出 

2019年10月13日LBマット1400

2020年2月20日 DOS生オガ1400 (8g) 

2020年6月27日 DOS生オガ3250(28g)

2021年1月10日 蛹確認 (19g)

2021年2月中旬 羽化

③ ♂ 93mm 

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2019年7月13日割出 

2019年10月13日LBマット1400

2020年2月20日 DOS生オガ1400 (8g) 

2020年6月27日 DOS生オガ1400(25g)

2021年12月29日 蛹確認 (20g)

2021年2月上旬 羽化

④ ♂ 97mm

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2019年7月13日割出 

2019年7月21日孵化

2019年7月23日 北斗恵栽園カワラ1400

2019年12月15日 100%クヌギ生オガマット1400(4g)

2020年5月14日 DOS生オガ3250(22g)

2021年1月10日 蛹確認(21g)

2019年1月23日 羽化

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90前半くらいかな、と思っていましたが、コンサバに計測して97超えていたので嬉しい誤算でした。

⑤ ♀ 45mm

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2019年7月13日割出(卵)

2019年7月21日孵化 

 2019年7月23日北斗恵栽園カワラ1400

2019年12月15日くぬぎマット800 

2020年5月中旬前蛹

2020年7月羽化

⑥ ♀ 41.7mm

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2019年7月13日割出(卵)

2019年7月21日孵化

2019年7月23日北斗恵栽園カワラ800

2019年12月15日くぬぎマット800

2020年5月中旬前蛹

2020年7月羽化 

⑦ ♀ 41.9mm 

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2019年7月13日割出(卵)

2019年7月21日孵化

2019年7月23日北斗恵栽園カワラ800

2019年12月15日くぬぎマット1500

2020年5月中旬蛹化

2020年7月中旬羽化

 ⑧ ♀ 46.4mm

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2019年7月13日割出

2020年1月9日くぬぎマット800

2020年10月8日 蛹化

2020年12月羽化?

  ♀ 46.4mm

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2019年7月13日割出(卵)

2019年7月21日孵化

2019年7月23日北斗恵栽園カワラ1400

2019年12月15日くぬぎマット800

2020年7月中旬羽化

5.まとめ

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今回9頭を羽化、4♂のうち3♂が90upを出すことが出来たので、及第点かと自己評価しています。次世代では100mm UP狙っていきたいですね。1サイクルしか回していないので確証はないですが、以下次世代のメモ。

-初齢の幼虫成長が遅く、マットでも菌糸でも成長スピード変わらないので、1本目からマット、2本目菌糸でも良いかも。オールマットでも問題なく育ちそう

-交換タイミングで酸欠にならないよう、投入穴を大きく設けて雑虫対策をした上で暫く蓋を開けて管理

‐容器依存する傾向があるので、100mmUP狙うのであればやはり中プラケ飼育か

以上のような感じで次世代も取り組んでみたいと思います。