1.はじめに
今回は神奈川県東部産のミヤマクワガタの飼育記録になります。このエリアに引越してきてから2年連続で採集(採集記事は以下の6.参考資料をご参照ください)していますが、当地で得られるサイズは小ぶりです。低標高、住宅地に隣接、山塊が分断されているような生息環境により1年1化でサイクルが回っているのでしょうか。この2年間で207頭を採集、アベレージは50mm中盤、最大サイズは68.5mmでした。
【採集情報】2021/7/5 22:30-23:30 曇 23℃ 湿度94% 風速1m
このエリアでは70mm採集が金字塔になりそうです。ブリードでも70mm越えを目標値として臨みたいと思います。
2.種親紹介
Aライン(♂50mm×♀30mm)
神奈川県東部産第1号ミヤマペア。小型で赤味が強いペアです。
Bライン(♂65mm×♀41mm)
♀が41mmと、当地では大きめの個体なので一応ブリードします。♂は2020年採集シーズン最大個体の65mmと掛け合わせます。
3.ペアリング-産卵セット-割出-幼虫飼育-羽化
①ペアリング-産卵セット(Aライン/2020 年6 月20日 Bライン/2020年7月3日)
Lucanusは交尾意欲強いですし、♀殺しも少ないのでペアリングしやすいですね。
中ケースで組みます。今思えばマット斜め詰めして表面積を多くとれば小ケースでも良かったですね…黒土とフォーテック社の産卵一番を1:1でブレンドしたものでセット。
②割出-幼虫飼育(2020年10月18日-)
管理温度は一貫して20℃ほど。爆産しています。幼虫飼育は♂は2年幼虫飼育する前提で
臨みます。
④ 蛹化-羽化
撮影用にオアシス管理した個体。立体的で良いですね。
なんだかんだで小型の♂でも孵化から羽化まで13-4ヶ月、もう少し大きくなると17-8ヶ月弱くらいは掛かっている感じですね。♀は概ね12ヶ月くらいか。
4.羽化個体紹介
Aライン
① ♂ 57.1mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵 800cc
2021/6/20 蛹化
2021/7/26 羽化確認
② ♂ 59.4mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/16 DOS3次発酵 800cc
2022/3/19 羽化確認
③ ♂ 65.1mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵 800cc
2021/6/26 グローバルビートルマット+DOSアンテマット 800cc 13g
2022/3/19 羽化確認
④ ♂ 65.3mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵 800cc
2021/6/26 グローバルビートルマット+DOSアンテマット 800cc 13g
2022/3/19 羽化確認
⑤♂66.2mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/16 DOS3次発酵 800cc
2021/6/26 グローバルビートルマット+DOSアンテマット 800cc 13g
2022/3/19 羽化確認
⑥♂66.7mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/16 DOS3次発酵 800cc
2021/6/26 グローバルビートルマット+DOSアンテマット 800cc 14g
2021/10/10 蛹化
2022/1/M 羽化確認
⑦ ♂66.8mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/16 DOS3次発酵 800cc
2021/6/26 MD改+DOSアンテマット 800cc 14g
2021/10/10 前蛹確認
2022/1/M 羽化確認
⑧ ♂67.2mm
2020/6/20 セット→2020/10/18 割出
2020/11/16 自作マット 800cc
2021/10/10 前蛹確認
2022/1/M 羽化確認
⑨ ♀ 37.5mm
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 DOS 3次発酵マット
2021/10/10 羽化
⑩ ♀ 36.6mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS生オガ+DOS 3次発酵マット 1400cc
2021/10/10 羽化確認
⑪ ♀ 36.6mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS 3次発酵マット 800cc
2021/6/20 羽化確認
⑫ ♀ 37.5mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 DOS 3次発酵マット 800cc
2021/10/10 羽化確認
⑬ ♀ 37.9mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 DOS 3次発酵マット 800cc
2021/6/20 蛹化確認
2021/10/10 羽化確認
⑭ ♀ 37.9mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 DOS 3次発酵マット 800cc
2021/6/20 蛹化確認
2021/10/10 羽化確認
⑮ ♀ 40.3mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 オリジナルマット 800cc
2021/10/10 羽化確認
⑮ ♀ 44.9mm
画像省略
2020/6/20 セット→10/18 割出
2020/11/16 オリジナルマット 800cc
2021/10/10 羽化確認
Bライン
① ♂59.6mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 DOS3次発酵 800cc
2022/3/19 羽化確認
2021/10/10 蛹化
2022/1/M 羽化確認
② ♂64.1mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 MDマット改 800cc
2022/3/19 蛹化確認 10.8g
2022/4/13 羽化確認
③ ♂65.6mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 オリジナルマット 800cc
2022/6/26 MDマット改1300 16g
2022/4/13 羽化確認
④ ♂65.6mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 オリジナルマット 800cc
2021/10/10 羽化確認
⑤ ♂67.5mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 MDマット改 800cc
2021/6/26 MDマット改 1300cc 17g
2021/10/10 蛹化確認
2022/1/M 羽化確認
⑥ ♂67.3 mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 DOS3次発酵マット 500cc
2021/6/27 MDマット改 1300cc 15g
2022/3/19 羽化確認
⑦ ♂67.6 mm
2020/7/3 セット→2020/10/18 割出
2020/11/25 MDマット改 800cc
2022/3/19 羽化確認
⑧ ♀ 37.8 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 羽化確認
⑨ ♀ 38.2 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 前蛹
2022/1/M 羽化確認
⑩ ♀ 38.4 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵マット 800cc
2022/1/10 蛹化確認
2022/3/M 羽化確認
⑪ ♀ 38.8 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/25 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 羽化確認
⑫ ♀ 39.4 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 前蛹
2022/1/M 羽化確認
⑬ ♀ 39.5 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/24 DOS3次発酵マット 800cc
2022/3/19 羽化確認
⑭ ♀ 39.6 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/25 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 前蛹
2022/1/M 羽化確認
⑮ ♀ 39.7 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/28 DOS3次発酵マット 800cc
2021/10/10 前蛹
2022/1/M 羽化確認
⑯ ♀ 39.8 mm
画像省略
2020/7/3 セット→10/18 割出
2020/11/25 DOS3次発酵マット 800cc
2022/3/19 羽化確認
5.まとめ
目標としていた70mmUPは未達、当地の野外最大サイズと同等クラスしか出せませんでした。ちょっと抱えすぎてしまって、本腰入れてやる気力が途中失せてしまったのは否めません…色々な餌を試してみましたが、住宅街に隣接するエリアに生息する低地ミヤマだからでしょうか、食い渋りない感じだったので結構許容度が高い感じがします。2ライン抱えましたが、種親サイズ関係なく一定のサイズに収斂したので、大型化を狙うのであればもう少しサイクル回さないと分からんですね…これまでの実績を踏まえると実現可能性はかなり低いですが、今シーズン70mmが採集出来れば手持ちの♀(Aライン⑮44.9mm)と掛けて続けますかね。
Aラインで内歯が消失しかけている♂が2頭程出てきました(Aライン④と⑦)。
内歯消失血統ヒラタと同じような感じで血統化すれば全消失したミヤマとか見れるのか…やってみたいけれどキャパオーバーしているので検証できません。だれかやってくれないかなぁ。